特集コラム

Column 6 中野ブロードウェイを歩く

中野ブロードウェイを歩く
2011/05/11

ボードゲーム専門店 ドロッセルマイヤーズ

輸入ボードゲームは黎明期のファミコンの如し

アニメ、漫画、ゲームからアイドル、ミリタリーまで、ありとあらゆるマニア向けショップがひしめくブロードウェイ。その内装を見ると、ヲタとオシャレがいまひとつ相容れないというのもなんとなくうなずけるような……。そんなブロードウェイの中でも、ゲームの3Dダンジョンを髣髴とさせる4階に、雑貨屋風のお店がオープンしていた。

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こちらのお店は、輸入ボードゲームを扱う"ドロッセルマイヤーズ"。ボードゲーム以外にも、輸入物のトランプ、積み木といったグッズも扱い、商品の価格帯は1000円から10000円程度。
店長を務めるのは、もともとオンラインゲームのプロデューサーをされていた渡辺範明さん。20年ほど前に、地元のおもちゃ屋でドイツのゲーム"ガイスター"と出会い「これはすごい!」と思ったことをきっかけに、輸入ボードゲームに惹かれたとの事。

ゲームプロデュースの仕事に就いてから、参考にしようと再び輸入ゲームに手を出したら、参考どころか、こうして商売になってしまったそうだ。 もともと独立して、会社経営がしたかったと語る渡辺さん。「テレビゲームの会社なら他にやる人もいるだろうけど、アナログのゲームを日本に広げるのは、何人か何十人かというレベルでしかやっていないので、僭越ながらそこに加勢したい」と、ボードゲームへの普及への思いが垣間見える。

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肝心の輸入ゲームと国産のゲームの違いをたずねたところ、「海外のボードゲームはマーケティングで作られておらず、作家性が重視されている」との答えが帰ってきた。「海外では作家のキャラが立っていて、みんながそれぞれ好き勝手に作って。ゆるいものもあるんです。たとえばこれらのゲームはフリードマン・フリーゼという作家の作品ですが、彼の作品の特徴は必ず自分のイニシャルであるF・Fをゲームのタイトルにも入れる。そして箱が必ず緑色なんですね。何でだろう?と思っていたのですが、お会いしたときに、髪を緑に染めたおじさんだったので"だからか!"と(笑)」

林家ペー・パー的な発想で生み出されていたドイツの名作ボードゲーム。作家性による部分が大きいため、実際中には「何だそりゃ!」という内容の商品も。そのあたりの振れ幅は、黎明期のファミコンの如し。

扱っている商品の点数は120点前後。
数ある品物の中から、渡辺さんにオススメのゲームをセレクトしてもらった。

大人数でワイワイ遊べるゲーム

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カードの図柄がカブったら真っ先にモニュメントをゲット。緊張感MAXのカードめくり。お手つき必至!判断力と反射神経がモノを言う。
(ジャングルスピード 2730円[税抜] 写真左)

めちゃくちゃな形の積み木を積み上げ倒した人が負けとルールはシンプルだが、アツイのは積み木の押し付け合いだったり。
(バウザック 8500円[税抜] 写真中)

文字数などのしばりの中で、語彙力が試される超高速しりとり。人数が多ければ多いほど盛り上がること間違いなし。
(ワードバスケット 1500円[税抜] 写真右)

ファミリーでほのぼの楽しむゲーム

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「空は何色かな?」と親子でのコミュニケーションもバッチリの色合わせゲーム。お子様のいるご家庭のプレゼントにも!
(クイップス 3600円[税抜] 写真左)

回るコマに描かれた絵を当てる。恐るべき単純さながら、ことのほか盛り上がる要動体視力ゲーム。飲みの席にもオススメ。
(魔法のコマ 1500円[税抜] 写真右)

男同士、ガチで戦うゲーム

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舞台は修道院。蔵書のクオリティを競い合う重厚なテーマに反して、ルールはシンプル。30分程度でサクっと遊べる。
(ビブリオス 2940円[税抜] 写真左)

陸地のパネルがどんどんなくなっていくことで、自分のコマが簡単に行動不能に。常に3手先、4手先のことを考えないと、すぐさま相手にしてやられる弱肉強食ゲーム。
(それは俺の魚だ!DX 4500円[税抜] 写真中)

城を築き、騎士たちが攻城戦を繰り広げる陣取り。その設定だけでも十分なのに、城をより高く、大きくという要素も男子マインドを直撃!
(トーレス 5600円[税抜] 写真右)

女子会をキュートに彩るゲーム

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シャッフルした帽子の中に、何が入っているのか?記憶力をフルに使う観察ゲーム。子供でも遊べるけど、5つ同時に覚えるのってかなりタイヘン!
(黒ねこゲーム 3200円[税抜] 写真左)

ケーキパネルを自由に切り分けて、できるだけ同じ種類を集めよう。かわいいデザインなのに、ルールは女の友情を崩壊させる勢い。
(もっとホイップを 2400円[税抜] 写真中)

2010年ドイツゲーム大賞を受賞したフランス発のゲーム。絵が描かれたカードに題名をつける、独特すぎる内容はさすがおフランス!これでアナタもコピーライター気分。
(ディクシット 4725円[税抜] 写真右)

「こんな感じのゲームが欲しい」という、ざっくりしたリクエストにも懇切丁寧に答えてくれるドロッセルマイヤーズ。説明を受けて、実際遊んでみると、その楽しさ、奥深さに思わず財布の紐が緩んでしまい、現に私もお買い上げしてしまった。ゲームの魅力を直に味わえる、体験会も随時開催。節電ブームの今、アナログゲームの面白さに注目していただきたい。

ドロッセルマイヤーズ
http://drosselmeyers.com/
場所:中野ブロードウェイ4F
電話:03-3388-8667
営業時間:平日12:00-20:00 / 土日祝11:00-20:00
定休日:水曜、木曜(祝日を除く)
Twitter 公式アカウント:@Drosselmeyers_

文・取材 / たかだめいこ

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